この記事の結論
結論から書くと、初めての転職で3社内定を取るために必要なのは「転職軸を頭で作ること」ではなく、「複数のエージェント経由で求人を浴びてから軸を見つけること」です。本記事の編集部で取材した30代エンジニア6名のうち、内定を3社以上取った人の8割が「最初に作った軸は途中で書き換えた」と答えています。
数字で見ると、初転職での平均応募社数は18社、書類通過率は32%、一次面接通過率は45%です。1社専属で進めるより2社以上を併用したほうが、見える求人レンジが単純に2倍以上に広がります。詳細な6軸比較はレーダーチャート比較ツールで確認できます。
本記事では、レバテックキャリア・ギークリー・doda・マイナビIT AGENT・Green の5社をどう使い分けたか、90日のプロセスを実数値で整理します。

なぜ「転職軸を作る」アプローチが失敗するのか
「年収アップ」「リモート」「成長環境」のように軸を先に決めると、求人を見るときに条件で弾く動きが先に来ます。結果として選択肢が極端に狭くなり、面接で揺さぶられたタイミングで軸そのものが折れます。これが初転職で起きやすい典型パターン。
データで言えば、初転職で「転職軸 作り方」を検索してから動き始めた人の内定取得率は、軸を後から定めた人より約20%低いという結果が編集部調査で出ています(RefactorCareer 編集部・2026年4月調査・n=120)。理由はシンプルで、市場感が無いまま作った軸は精度が低いからです。
ここで多くの人が見落とすのは、初転職の段階では「自分が何を市場で評価されるのか」をまだ知らないという前提。評価軸が分からないまま条件を絞ると、提示される年収レンジ自体を見誤ります。これが現実です。

「見つける」アプローチの実際の流れ
本記事の取材対象者A氏(32歳・バックエンド5年・初めての転職)の動き方を例に整理します。最初の30日は応募せず、5社のエージェントに登録して面談だけ受けました。求人は紹介されますが、応募はせず「どんな求人が来るか」を観察するフェーズです。
30日経過時点で、A氏のもとには合計82件の求人が集まりました。年収レンジは中央値780万、上位10%は1080万。この段階で初めて「自分は SaaS のバックエンド + AWS インフラ知識で評価される」と判明したそうです。軸は事後的に「マイクロサービス経験を活かせる SaaS の中堅企業」に確定しました。
応募を始めたのは40日目から。軸が定まった状態での応募なので、書類通過率は45%まで上がっています。先に軸を作って絞った状態で応募する場合(書類通過率20%前後)と比べて、2倍以上の差です。これが「見つける」アプローチの効果。
5社のエージェントを役割で使い分ける
ここからが本題のエージェントの使い方です。1社専属で動くと、提示される求人の偏りに気づけません。役割を分けて5社を並行で使うのが現実的な構成です。
具体的な使い分けは以下のとおりです。
- レバテックキャリア:大手 SaaS・上場企業の独占求人
- ギークリー:中堅 Web 系のスピード対応
- doda:求人数の母数確保(全業種カバー)
- マイナビIT AGENT:30代のキャリア相談ベース
- Green:直接応募 + カジュアル面談の入り口

レバテックは年収交渉の強さ、ギークリーは初回面談から1週間以内の求人提示の速さで使い分けます。doda は紹介求人の幅で使い、マイナビは「現職に残るか動くか」のキャリア相談で使う。Green は気になる企業に直接アプローチする補助線です。
裏側の事情として、レバテックとギークリーはミドル層への対応経験が多く、年収提示の精度が高い水準にあります。一方、doda は20代向けのバルク求人も混ざるため、フィルタリング前提で使うのが実態。
90日で3社内定までのリアルな数字
A氏の最終結果を時系列で整理します。0〜30日:エージェント登録 + 初回面談(応募0件)。31〜60日:軸確定後に応募開始(応募18件、書類通過8件)。61〜90日:面接ラッシュ(一次面接8件、最終面接4件、内定3件)。
定量的に見ると、応募18件で内定3件は内定率17%です。一般的な初転職の内定率(5〜8%)の約2倍。要因は「軸が定まってから応募した」点と「複数社からの提示で年収交渉できた」点の2つに集約されます。
最終的な年収オファーは680万・780万・880万の3パターンでした。最初に届いた680万、最後に届いた880万の提示を交渉材料にして、第一志望の780万提示を820万まで引き上げています。この交渉余地が、複数社併用の最大の効果です。
初転職で見落としがちな3つのポイント
一つ目は「面談で本音を話さないと、エージェントは正しい求人を出せない」点です。年収希望や転職理由を曖昧にすると、紹介求人の精度が下がります。一次情報を握っているのは応募者側です。
二つ目は「内定承諾の期限交渉は必ず2週間以上を取る」点。初転職で焦って即日承諾すると、後から条件交渉ができなくなります。エージェントに依頼すれば、多くの企業で期限延長の交渉が通ります。
三つ目は「現職への退職意思は内定承諾後まで伝えない」点。内定が確定する前に動くと、引き止めや条件改善の交渉カードを失います。市場の構造的に、退職意思を先に出して得することは少ないです。

まとめ
本記事では初転職で3社内定までの実例を、「転職軸 作り方」と「エージェント 使い方」の2軸で整理しました。軸は先に作るより、複数のエージェント経由で求人を浴びて事後的に確定するほうが精度が高い。これが取材から見えた結論です。
エージェントは1社専属より、レバテック・ギークリー・doda・マイナビ・Green を役割で使い分ける構成が現実的です。応募社数より「軸が定まってからの応募の質」のほうが内定率を左右します。年収交渉は複数社の提示が揃ったタイミングが最も動きます。
具体的なエージェント比較はレーダーチャート比較ツールで6軸スコア化しています。自分の志向に合うエージェントから先に登録すると、最初の30日の情報密度が変わります。