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SIerからWeb系自社開発へ:30代でも間に合う転職ロードマップと必要スキルの目安
この記事の結論
即答
SIerからWeb系自社開発への転職は「スキル習得3〜6ヶ月+転職活動2〜3ヶ月」を逆算すれば、30代でも現実的に狙えます。
「このままSIerでいいのかな」と一度立ち止まったこと、ありませんか。私も取材のたびに、この相談を本当によく受けます。結論から書くと、半年から1年を計画的に動けば、30代前半はもちろん後半でも道は十分にあります。
ただ、業務経験だけで通るほど甘くないのも事実です。選考で見られるのはTypeScriptやGo、Git運用、クラウド、CI/CDあたり。エージェントはレバテックキャリア・ギークリー・Greenを特性で使い分けるのが定石です。まずはIT転職の流れをロードマップで確認するところから始めると、やることが一気に整理できます。
SIerからWeb系への転職市場はいま厳しい?
即答
難度は上がっていますが市場は活況。SIerで培った設計力・推進力は今も評価され、足りない分を埋めれば戦えます。
「最近は厳しいって聞くし…」と不安になる人、多いですよね。気づいたんですけど、厳しくなったのは“誰でも歓迎”の時代が終わっただけで、市場そのものが冷えたわけではありません。パーソルキャリアの「2026年 ミドルシニアの転職市場予測レポート」でも、IT・通信領域はミドル層の採用ニーズが堅調と示されています(doda ミドルシニアの転職市場予測(パーソルキャリア))。数字より先に、ここで少し肩の力が抜ける人が多いんです。
採用側がSIer出身者に期待するのは、わりとはっきりしています。大規模システムの設計や要件定義、複数の関係者を巻き込む推進力、金融や物流といった業務ドメインの知識、それに障害対応や運用設計の経験です。Web系の若手が意外と持っていない強みが、ここに詰まっています。
一方で懸念されるのが「ウォーターフォール文化に最適化されすぎて変化に弱いのでは」「自分でコードを書く機会が少なく、モダン開発に追いつけていないのでは」というギャップです。実はこのギャップ、本人が思うほど深刻ではないことも多いんです。埋め方さえ分かれば、半年で景色は変わります。
特に28〜38歳のミドル層は、ポテンシャル枠から外れる代わりに「即戦力としての完成度」を見られます。スキルだけ、マネジメントだけ、どちらかに寄りすぎず、両方を自分の言葉で語れる人が強い。ここが分かれ目です。
SIerエンジニアに足りないスキルは何?
即答
不足しがちなのは「モダン言語・FW」「Git運用」「クラウド/コンテナ/CI/CD」の3領域。ここを埋められるかが勝負どころです。
転職活動を始める前に、自分のスキルが今のWeb系水準とどれくらい離れているか、冷静に見ておくと安心です。私も最初は「経験年数があれば大丈夫」と思っていましたが、実際に求人票を並べると、求められる技術名がまるで違って拍子抜けしました。
まず大きいのが、モダン言語とフレームワークです。JavaやCOBOLの経験はあっても、TypeScript・Go・Python(FastAPI)・Ruby on Railsといった現場で多用される技術スタックの実務歴が薄いケースが目立ちます。ReactやNext.js、Vueに触れたことがない人も少なくありません。
次にGit/GitHubの開発フローです。SVNや独自の管理を使い続けている現場だと、Pull Requestベースのレビューやブランチ戦略、Issue管理に慣れていないことがあります。Web系ではGitHub FlowやTrunk Based Developmentが当たり前なので、ここはなるべく早く素振りしておきたいところです。
三つ目がクラウド・コンテナ・CI/CDです。オンプレや社内クラウドの運用経験はあっても、AWS/GCPのマネージドサービスやDocker、GitHub Actionsを使った自動化を実践した経験が浅いことがあります。入社後すぐ触る領域なので、最低限の手触りを作っておくと、入社後がぐっと楽になります。
ここで一つ、取材で印象に残った話があります。「知識や肩書を増やすより、ロール(役割の思考・行動パターン)を増やすほうが転職では効く」という現役エンジニアの整理です(Qiita:転職で増やすべきは「知識」でも「肩書」でもなく「ロール」である)。技術名を集めること自体が目的になると苦しくなる、という指摘に、うなずく人は多いはずです。
どんな順番でスキルを習得すればいい?
即答
本業と並行なら6ヶ月モデルが現実的。「基礎2ヶ月→ポートフォリオ2ヶ月→実装力の証明2ヶ月」の3段で積み上げます。
ギャップの埋め方を、平日2時間・休日5時間を学習に充てる前提の6ヶ月モデルで整理します。一度に全部やろうとすると必ず折れるので、まず最初の2ヶ月だけに集中するのがコツです。
最初の1〜2ヶ月は土台作りです。TypeScriptとReact(またはNext.js)の公式チュートリアルを完走し、Gitの応用(rebase・cherry-pick・conflict解消)を実プロジェクトで練習しながら、AWSの主要サービス(EC2/RDS/S3/Lambda)を実際に触ってみてください。手を動かすと、本で読むより理解が3倍くらい速いです。
3〜4ヶ月目はポートフォリオ制作にあてます。自分が解決したい課題ベースのWebアプリを1本、フロント・API・DB・認証・デプロイまで通しで作る。GitHubに公開してREADMEで設計判断を言語化しておくと、後の面接でそのまま武器になります。
5〜6ヶ月目は実装力の証明です。GitHub Actionsでテストと自動デプロイを組み込み、DatadogやSentryで監視・ロギングを仕込む。学びをZennや技術ブログで発信しておくと、評価の裏取りにもなります。ポートフォリオは「動けばいい」ではなく、コードレビューに耐えるかが判断基準。命名・テスト・型・エラーハンドリング・READMEのどれが欠けても、見る人はちゃんと気づきます。
ポートフォリオは何を作れば刺さる?
即答
題材は「自分が業務や生活で実際に困った課題」が一番強い。技術の派手さより、設計判断を説明できることが評価されます。
ここ、相談でいちばん手が止まるポイントなんです。「何を作ればいいか分からない」と。私もそうでした。でも、取材を重ねて気づいたのは、題材は派手さで選ばなくていいということです。
採用側が見ているのは「なぜその技術を選んだか」を言語化できるか。TODOアプリでも、認証・権限管理・通知・テストまで通っていれば十分に語れます。逆に、機能を盛っただけでREADMEが空のリポジトリは、面接で深掘りされた瞬間に弱さが出ます。
SIer出身者の強みは、ここで効きます。要件を整理し、なぜこの設計にしたかを順序立てて説明する。それは若手が苦手としやすい部分で、まさに経験でしか積めない領域です。題材選びで固まったら、いまの現場で「めんどくさい」と感じている作業を1つ、アプリにしてみてください。動機が本物だと、説明にも熱がこもります。
転職活動はどう進める?エージェントはどう使い分ける?
即答
特性の違う3社を併用するのが王道。「相談型・特化型・スカウト型」を組み合わせて現在地を測ります。
スキル準備と並行して、エージェント登録は早めに済ませておくと市場の温度感がつかめます。私の取材でも、準備が終わってから動いた人より、早めに相談を始めた人のほうが迷いが少なかったです。
相談の土台に向くのがレバテックキャリア。IT職種特化の老舗で求人が多く、SIerとWeb系の両方に強いので「自分はどちらに向くか」から相談できます。書類添削や面接対策も手厚めです。
Web系・ゲーム領域を狙うならギークリー。モダンな技術スタックを採用する企業との接点が豊富で、SIerからの転身事例の蓄積も多めです。そしてGreenはスカウト型。プロフィールを充実させると自社開発企業のエンジニアやCTOから直接スカウトが届き、市場での立ち位置を測るのに向いています。3社の向き不向きを並べて眺めたいときは、エージェントの比較ページも使ってみてください。
面談で意識したいのは、欲張らないことです。次を押さえると、1社ごとの準備が雑になりません。
- 希望条件は「年収・技術・働き方」で優先順位をつける
- ポートフォリオのURLと技術選定の意図を1分で話す
- 志望企業の技術ブログを事前に読み込む
- 同時並行の応募は5〜8社まで
数を増やしすぎると、一社ごとの熱量が下がります。回せる範囲で丁寧に進めるほうが、結局は近道でした。
年収と働き方はどう変わる?
即答
初年度は年収が一時的に下がる場合もありますが、評価サイクルの速さで2〜3年内に逆転する例が多いです。
「自分の年収、転職で下がったらどうしよう」と気になりますよね。ここは正直に書きます。SIerで年収700〜800万円のミドル層がWeb系自社開発に移ると、初年度は600〜750万円程度に着地するケースもあります。職種別の平均年収の相場は公開データで確認できます(doda 平均年収ランキング)。
ただ、下がりっぱなしとは限りません。ストックオプションや昇給幅、評価サイクルの速さで、2〜3年以内に逆転する人をよく見てきました。最初の数字だけで判断しないのが大事です。
働き方も様変わりします。リモート率が高く週3〜フルリモートが主流で通勤負荷が減り、上長承認のフローが少ないぶん、エンジニアの裁量で技術選定や設計判断ができます。テレワークは社会全体でも定着していて、総務省の調査でも企業の導入は高い水準で推移しています(総務省 通信利用動向調査)。書籍購入やカンファレンス参加費の補助など、学習文化が根づく会社も多いです。
評価軸のシフトは、入る前に知っておくと心が楽です。SIerは「年功・役職・資格」が軸になりがちですが、Web系は「アウトプット・事業貢献・技術的卓越性」。半年ごとのフィードバックや360度評価が一般的で、自分の成長を可視化しやすい反面、漫然と過ごすと評価されにくい。ここは最初の3ヶ月でリズムをつかむのがコツです。
30代後半でも本当に間に合う?
即答
間に合います。ただし「ポテンシャル」ではなく「即戦力+設計・推進の実績」を主役に据える戦略に切り替えるのが条件です。
「20代ならともかく、30代後半はもう遅いのでは」と感じる人は多いです。遅いと感じる人ほど、若手と同じ土俵で勝負しようとしているケースが目立ちます。そこを変えるだけで、見え方は大きく変わります。
ミドルが勝てるのは、設計・要件定義・障害対応・チーム推進といった「経験でしか積めない領域」です。モダン技術はあくまで土台として最低限を示し、面接では「大規模で何を意思決定し、どんな数字を動かしたか」を主役に置く。技術トレンドを追うのは大事ですが、それだけで若手と競っても消耗します。
年齢を不利にしないために、応募の幅を少し広げておくのも有効です。Web系自社開発に限定せず、モダン開発を進める事業会社や、SIerとWeb系の中間にあたるSES脱却済みの受託にも目を向けると、選択肢が一気に増えます。自分の市場価値が今どのあたりかを知りたいときは、年収診断で現在地を確認するのもおすすめです。数字で現在地が見えると、迷いが減ります。
よくある質問
Q. SIerからWeb系転職に必要な期間はどれくらい?
A. スキル習得に3〜6ヶ月、転職活動に2〜3ヶ月で、合わせて6〜9ヶ月が現実的な目安です。本業と並行する場合は6ヶ月モデルで逆算すると無理が出にくいです。
Q. ポートフォリオは必須ですか?
A. 必須に近いと考えてよいです。実務でモダン技術に触れていないほど、ポートフォリオが実装力の証明になります。動くことより、コードレビューに耐える品質を意識すると評価されやすくなります。
Q. 30代だと年収は必ず下がりますか?
A. 一時的に下がる場合はありますが、必ずではありません。昇給幅や評価サイクルの速さで2〜3年以内に逆転する例も多く、初年度の数字だけで判断しないのが安全です。
Q. 30代後半・40代でも未経験職種への転職は狙えますか?
A. 完全未経験より、SIerでの実務を土台に「半歩ずらす」ほうが現実的です。設計や推進の実績を主役に置き、モダン技術は最低限を示す戦略が向いています。
次のアクション
IT転職は順番に進めると迷いが減ります。全体像の確認と、自分の市場価値の把握から始めてみてください。