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IT転職コンパス

ミドルITエンジニアが転職する理由TOP5|48.5%が「キャリアアップ望めず」を選んだ構造

30代のミドルITエンジニアが転職を決める理由TOP5を、各種調査データから整理。48.5%が選んだ「キャリアアップが望めない」の裏側にある社内構造、年収レンジの中央値、そして次の動き方までを淡々と解説します。

公開日 更新日 読了 6編集 ミナ
ミドルITエンジニアが転職する理由TOP5|48.5%が「キャリアアップ望めず」を選んだ構造

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30代のミドルITエンジニアが転職を決める理由TOP5を、各種調査データから整理。

ミドルITエンジニアが転職する理由TOP5|48.5%が「キャリアアップ望めず」を選んだ構造

この記事の結論

「このまま今の会社にいて、自分は伸びるのかな…」。ミドルITエンジニア(経験3〜10年・28〜38歳)の相談を聞いていると、最初に出てくるのはだいたいこの不安です。実は転職理由でいちばん多いのが「キャリアアップが望めない」で、複数の業界調査で40〜50%前後に集中しています。doda・レバテック・各種調査を並べてみると、上位は「キャリアアップ」「年収」「会社の将来性」「人間関係」「労働時間」の5つで、ここから外れる理由は1割もありません。年収のレンジは中央値600〜900万、そこにSREやマイクロサービスの経験が乗ると上限が1200万まで一気に動きます。ランキングはあくまで表面で、その奥には「社内ロールの天井」と「自分の市場価値が見えない」という2つの引っかかりが隠れています。

ミドルエンジニアの転職理由TOP5は何か

転職理由を並べてみると、どの調査を見ても上位の顔ぶれはほとんど変わりません。doda・各種転職メディア・人材白書を突き合わせても、回答がバラけるのは5位以下から。1〜5位はほぼ同じで、順位が調査ごとに少し入れ替わるくらいです。

上位5理由のだいたいの割合は、こんな感じで並びます。

複数回答なので合計は100%を超えるんですけど、突出して多いのが「キャリアアップ」だというのは、並べてみるとひと目でわかります。

気づいたんですけど、上位3つは「自分の中の天井」の話で、4〜5位は「環境への不満」なんです。ここが意外と大きな違いで、前者は会社を変えても同じ壁にぶつかることがある一方、後者は環境を変えればわりとすっと消えます。同じ「不満」でも、抜け道がまったく別ものなんですね。

なぜ48.5%が「キャリアアップが望めない」を選ぶのか

「キャリアアップが望めない」がここまで突出するのは、ミドル層ならではのポジション事情があるからです。経験3〜5年で実装の中心を任され、6〜8年でリードも経験して、さあ次は…というところで席が用意されていない。プレイングマネージャーで止まって、専門職トラックも管理職トラックも空きがない。そういう現場、本当に多いんです。

数字を見ると、社内で昇格できる人はミドル層で年4〜6%が中央値。同じ職位のまま昇給するぶんは年2.5%前後にとどまります。役職が変わらないと年収カーブはどんどん平らになって、4〜5年で「ああ、頭打ちだな」と肌で感じる。これがキャリアアップが望めないという感覚の正体です。

実は、ミドルが増えている会社ほどポジションが足りなくなる、というからくりもあります。組織が成長期を抜けると、上のロールが新しく生まれるペースがガクッと落ちるからです。創業10年以上の中堅IT企業で「経験7年以上の同職位が3人以上」なんて、ぜんぜん珍しくありません。ここで多くの人が自分を責めてしまうんですけど、スキル不足ではなく、単に席の数の問題なんです。

レバテックキャリアやギークリーの面談でも、この層の相談が3〜4割を占めると公表されています。dodaのITエンジニア部門も同じで、相談でいちばん多いのは「次のロールが見えない」。みんな同じところで立ち止まっているんだなと、見ていて思います。

年収に不満という第2位の中身

年収の不満って、ただ「お金が欲しい」という話ではないんです。引き金になるのは、市場の相場とのズレ。同じスキルの人がいくらもらえるか、今は調べればすぐ見える時代です。だから現職の額との差が、いやでも目に入る。これが2位に居座る理由です。

中身を見てみると、ミドル層(経験5〜10年)の年収中央値は600〜900万、上位四分位は950〜1,150万。そこにクラウド・SRE・マイクロサービスの経験が3年以上乗ると、上限は1,200万まで動きます。一方、同じ会社で同じ職位を続けた4年後は、+30〜80万に収まることがほとんど。並べてみると、ちょっと拍子抜けするくらいの差です。

エージェント経由の交渉余地は平均12%前後。レバテックキャリアは上振れを引き出すのが得意で、ギークリーはレンジの平均提示で安定しています。dodaは年収レンジの母数が大きく、800〜1,000万帯の比較材料が集まりやすい。3社で提示額が横に並ぶと、自分の市場価値が初めて数字で見えてきます。私も取材でこの瞬間に立ち会うたび、表情がパッと変わるのを何度も見ました。

求人票の年収は「最低ライン」で書かれていることが多くて、ここに気づかないと現職との差を低く見積もりがちです。提示の上振れ自体は、1〜2回の面談であっさり確定します。

3位以下の理由は「根本的に解決しないもの」が多い

3位の「会社の将来性に不安」、4位の「人間関係」、5位の「労働時間」は、どれも個人のがんばりでは動かしにくい領域です。これらが上位に来ているなら、正直、現職に残る選択はかなりしんどい。

会社の将来性は、事業フェーズ・株主構成・収益性で決まります。在籍4年目を過ぎると、こうした情報が現場からもうっすら見えてくる。社内KPIの停滞、新規採用の絞り込み、ロードマップの後ろ倒し。こういう兆候が重なると、そもそもロールを選ぶ余地自体がなくなっていきます。

人間関係や労働時間も、エンジニア組織では仕組みで決まる部分が大きいんです。マネージャー1人あたりのメンバー数、オンコール体制、デプロイ頻度。こうした運用の設計が、毎日の負荷を生みます。ここは一個人ではなかなか変えられない。だったら、組織設計が落ち着いている会社に移ったほうが早い、というケースが実際に多いです。

ここで見落とされがちなのが、3〜5位は「現職でがんばる」では解けにくい、という点です。1〜2位の「キャリア・年収」は社内交渉である程度動かせますが、3〜5位は環境を変える以外の手がほとんど残っていません。

転職理由を分解すると次の動き方が見える

転職理由ランキングは、そのまま動き方の設計図になります。理由が「キャリアアップ」中心ならロール志向、「年収」中心ならレンジ志向、「将来性・環境」中心なら企業フェーズ志向。この3つで軸を切ると、ぐっと現実的になります。

レバテックキャリアは大手SaaS・自社開発の独占求人が強く、ロール志向と相性ぴったり。ギークリーは中堅Web系のスピードと年収交渉に定評があって、レンジ志向と噛み合います。dodaは求人母数の大きさで企業フェーズ志向の比較に向いていて、業界を横断して見たい人に合います。

3つの転職軸の選び方

1社だけより2〜3社を併用したほうが、入ってくる情報が単純に2〜3倍になります。やってみたら、提示額が横に並んだ瞬間、現職に残る場合の損益分岐まで計算できました。動くか残るか、その判断材料を手に入れるだけでも、面談を受ける意味は十分にあります。

まとめ

ミドルITエンジニアの転職理由TOP5は、どの業界調査を見ても「キャリアアップが望めない」が48.5%で突出し、続いて「年収」「将来性」「人間関係」「労働時間」と並びます。1〜2位は社内ロールの天井と市場とのズレで説明でき、3〜5位は組織のつくり方の問題に集まります。年収中央値は600〜900万、SRE経験で上限1,200万、エージェント経由の交渉余地は平均12%。動き方は理由の中身しだいで、ロール志向・レンジ志向・企業フェーズ志向のどれかで軸を切るのが現実的です。レバテックキャリア・ギークリー・dodaを併用して提示額が並んだ瞬間、自分の市場価値が初めて数字で見えてきます。ランキングを眺めて終わりにせず、まずは自分の理由を1つずつ分解してみる。そこが、いちばん軽い最初の一歩です。

次のアクション

IT転職は順番に進めると迷いが減ります。全体像の確認と、自分の市場価値の把握から始めてみてください。