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「案件はたくさんやってきたのに、職務経歴書にすると急に薄く見える…」
この相談、取材のたびに本当によく聞きます。受託やSES(System Engineering Service/クライアント先に常駐して開発を支援する契約形態)で働いてきた人ほど、ここで手が止まりがちです。私も前職で何人もの経歴書を見ていて、同じ場所で固まる人をたくさん見てきました。
この記事の結論
即答
SESの職務経歴書は「案件を1件ずつ切り出し、役割と数字の成果をセットで書く」だけで読み手の印象が大きく変わる。
受託・SES中心のキャリアが薄く見えるのは、能力が低いからではありません。複数の案件が「○○システムの開発に従事」と一括りになり、あなたが何をした人なのか見えなくなっているだけです。やることは2つだけ。案件を1件ずつ切り出すこと、そして成果を数字に直すこと。これで読み手が追える経歴書になります。
気づいたんですけど、受託の職務経歴書でアピールがうまい人は、特別な実績を持っているわけではないんです。同じ案件でも「切り出し方」と「数字の出し方」が違うだけ。まずは全体像を1枚にまとめたので、ここから一緒に見ていきましょう。先にIT転職全体の進め方を知りたい人は、IT転職の流れをロードマップで確認するのもおすすめです。

SESの職務経歴書はなぜ薄く見える?

即答
案件が「従事しただけ」の書き方で並ぶと、誰の成果か分からず読み手が評価軸を持てなくなる。
受託・SESのキャリアが伝わりにくい一番の理由は、案件の境界が消えてしまうことです。「複数のクライアント先で開発に従事」とまとめると、5年分の経験が3行で終わります。読み手の採用担当からすると、規模も役割も見えないので、評価のしようがないんです。
実は、ここで損をしている人がとても多いです。私が見てきた中でも、本当は要件定義から運用まで回していたのに、経歴書では「開発担当」の一言で消えていたケースがありました。本人は謙虚なつもりでも、読み手には「下流だけの人」に見えてしまう。これはもったいないです。
もう一つの壁が「守秘義務でクライアント名が書けない」問題です。でも、書けないのは社名だけ。業種・規模・あなたの役割・使った技術・出した成果は、ほとんどの場合そのまま書けます。「金融系のWebサービス(会員数50万規模)」のように、社名を伏せたまま具体性は残せるんです。ここを諦めると一気に薄くなります。

案件はどう切り出して書く?
即答
1案件ごとに「期間・役割と担当工程・開発環境・定量成果」を1セットで書くと読み手が追える。
SESの職務経歴書の書き方で最初に手をつけるのは、案件の切り出しです。やり方はシンプルで、関わった案件を時系列で並べ、それぞれに同じ4項目を埋めていきます。期間、役割と担当工程、開発環境、そして成果。この型に流し込むだけで、ぐっと読みやすくなります。

書く前に、頭の中にある情報を棚卸しします。次の項目をそろえておくと、案件ごとの記入がスムーズです。
- 案件の業種と規模(会員数・取引額など)
- 自分の役割とチーム人数
- 担当した工程(要件定義〜運用のどこか)
- 使用した言語・DB・クラウド・ツール
- 数字で言える成果
この5つがそろうと、あとは型に当てはめるだけです。地味な作業ですが、ここを埋めた人から経歴書が見違えていきます。
下に実際の記入見本を用意しました。受託・SESの人が「ここまで具体的に書いていいんだ」と拍子抜けするくらいの密度です。社名は伏せつつ、役割と数字はしっかり残しているのがポイントです。

つまり、社名が書けなくても「何を・どんな規模で・どう改善したか」は全部書けるということです。ここだけ押さえれば、受託・SESでも具体性で見劣りしません。
受託・SESの成果はどう数値化する?
即答
成果は「何を・どれだけ・どう変えたか」を比較できる数字に直すと、定性的な貢献も伝わる。
受託の職務経歴書でアピールするとき、いちばん効くのが成果の数値化です。とはいえ「自分は派手な数字なんてない」と止まる人が多いです。私も最初は、改善系の地味な仕事は数字にしづらいと思っていました。でも、ほとんどの仕事は数字に直せます。コツは「ビフォーアフター」で考えること。
たとえば「バッチ処理を改善した」だけだと伝わりません。これを「夜間バッチを6時間→3.5時間に短縮(40%減)」に直すと、急に成果として立ち上がります。同じ仕事でも、変化量を数字で示すかどうかで読み手の受け取り方がここまで変わるのかと、添削するたびに実感します。

数字にする切り口は、処理時間や件数だけではありません。工数、障害件数、テスト自動化のカバー率、対応した同時アクセス数など、現場には数字の種が転がっています。どれか1つでも「数えられる単位」に置き換えると成果になります。下は数値化しやすい代表的な切り口です。

もし「数字がどうしても出ない」案件は、規模で代替します。会員数、トランザクション量、チーム人数、扱った同時接続数。これらは成果ではなくても、あなたが扱ってきた仕事の大きさを伝えてくれます。なお、ITエンジニアの平均年収はスキル領域で差が出やすく、30代の中央値は500万円台が目安とされます(doda 平均年収ランキング)。数字で語れる経歴書は、こうした相場の中で自分の立ち位置を示す武器になります。
受託・SESの職務経歴書でやりがちなNGは?
即答
NGは「案件の一括りまとめ・成果が言葉だけ・スキル羅列のみ」。逆を押さえれば通りやすくなる。
ここまでの逆をやってしまうのが、よくある失敗です。添削していて頻繁に出会うパターンを整理しました。書く前にこのチェックを通すと、手戻りがぐっと減ります。

とくに多いのが、スキルシート(応募時に提出する技術経験の一覧表)と職務経歴書の役割を混同してしまうケースです。スキルシートは技術の一覧、職務経歴書は経験の文脈を伝えるもの。職務経歴書に技術名を並べるだけだと、「で、あなたは何をした人?」が抜け落ちます。技術名は必ず案件と紐づけて、どの場面で使ったかまで書くと一気に説得力が出ます。
もう一つ、つい「全工程に関与」と盛りたくなる気持ち、よく分かります。でも面接で深掘りされて答えに詰まると逆効果です。主担当だった工程を1つ絞って濃く書くほうが、結果的に強く見えます。正直、ここは私も昔やりがちだった失敗です。
受託・SESの経歴書づくりは誰に相談すればいい?
即答
IT特化のエージェントに案件の切り出し方を相談すると、自分では気づけない成果を引き出せる。
案件の切り出しと数値化は、一人でやると「自分の中で当たり前」を見落としがちです。そこで効くのが、IT特化の転職エージェントに職務経歴書を見てもらうこと。第三者の目が入ると、自分では地味だと思っていた改善が、実は十分アピールになると気づけます。
相手選びは、受託・SESの構造を理解しているIT特化型かどうかで決めると外しにくいです。下の3社は、エンジニアの経歴書の見せ方に強みがあります。

ギークリー(Geekly/IT・Web・ゲーム領域に特化した転職エージェント)は、案件が多い領域の言い回しに慣れていて、SESの細かい経験を言語化するのが得意です。じっくり経歴を棚卸ししたいならテックゴー(ミドルエンジニアのキャリア支援に強い転職エージェント)が向きます。キャリアの方向性から決めたい人はSTRATEGY CAREERも選択肢になります。
最初から3社すべてに登録しなくて大丈夫です。まず1社に経歴書を見せて、切り出し方のフィードバックをもらう。それだけで、次に書くときの精度がぐっと上がります。
よくある質問
Q. SESの職務経歴書で案件はいくつまで書く?
A. 直近5年で関わった主要な案件を3〜5件に絞るのが目安です。古い案件は概要だけにまとめ、直近の案件ほど役割と成果を厚く書くと読みやすくなります。
Q. クライアント名が守秘義務で書けないときはどうする?
A. 社名は「金融系Webサービス」のように業種+規模で置き換えれば問題ありません。役割・担当工程・使用技術・成果は書けることが多いので、そこで具体性を担保します。
Q. 短期間の常駐案件が多くても不利になりますか?
A. 期間より「各案件で何を担当し、何を残したか」が見られます。短い案件でも担当工程と成果を1セットで書けば、立ち上がりの速さとして強みに変えられます。
Q. スキルシートと職務経歴書は両方必要ですか?
A. 多くの場合は両方求められます。スキルシートは技術の一覧、職務経歴書は経験の文脈を伝える役割が違うため、片方だけでは情報が足りないことが多いです。
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IT転職は順番に進めると迷いが減ります。全体像の確認と、自分の市場価値の把握から始めてみてください。